先生観察日記

私の涙をエプロンで拭きながら、お母さんもうる目になってる。


「お父さんとはね、大学時代に知り合ったの。

お母さんは短大だったんだけど、すぐ隣のキャンパスで、一緒のサークルだった。

お父さん、一人暮らしでろくなもの食べてなくてね。

お母さんも一人暮らしだったんだけど、どうせなら一緒に食べましょうって誘って。

お父さん、とっても喜んで食べてくれて、それからお付き合いが始まったの」



初めて聞く、両親の馴れ初め。


なんだかとっても照れくさいけど、お母さんは嬉しそうに話してくれた。


「だから、お料理は大事よ!

菫もちゃんとお料理をマスターして、松本先生みたいなカッコよくて頼れる旦那様を見つけてちょうだいね!」


「お、お母さん……」


凄いです、先生。


私の母まですっかり先生のファンになっちゃったよ……。


< 223 / 330 >

この作品をシェア

pagetop