先生観察日記

私のカバンを指差す。

真剣な顔で言われた。


「見せて」


かなわないよ、先生には。


「はい。お約束の品」


封筒ごと、先生に渡す。

そっと封筒を開いて、中身を覗く先生。

中の白い紙を見て、満足そうに頷いた。


「安西、良かったな。

今まで頑張ったことは無駄じゃなかっただろ?

今までで一番嬉しいプレゼントだよ」


またまた「よーしよしよしよしよし」をされて。


嬉しそうな先生が見られて、私も良かった。

ついでに。

手作りチョコを二人で食べた。

我ながらいい出来なんだから。

甘いチョコの味と、合格通知。

私が離れて行っても、忘れないでください、先生。



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