先生観察日記
「そういえば、向こうで早く家探しをしたほうがいいぞ。
今なら、3月中は家賃無料とか、お得な物件があるはずだから」
「へ〜。さすが先生。詳しいね」
「早目に住むところを決めて、向こうの電気屋や家具屋で一式揃えて一緒に配達してもらうと楽だぞ」
「なるほど〜」
「途中で引っ越すのは大変だから4年間ずっと安心して住めるところにしとけよ。
何かあったら、俺、お前のお父さんから殺されかねない……」
確かに、あの時のお父さんは娘を溺愛する親バカ炸裂だった気がする。
でも、私だってそんな危ない目には遭いたくないから、用心するもん。
「ふふふ。大丈夫だよ」
「……俺も安心できないから」
そう言って、また、あの真剣な目でじっと見つめられた。
何?
「……先生、そんなに見られたら恥ずかしいよ」
「ん?
あ、ああ。すまない」