先生観察日記

 
『「私、先生のことが好きです」


勇気を振り絞って言った。


先生は……かすかに微笑むだけ。


「お前はいつまでも、俺の可愛い教え子だよ。

教え子として、俺もお前が好きだ。

そう思ってもらえて、嬉しいよ」


そっか……。


先生にとって、私はやっぱり単なる教え子なんだね。


生徒じゃない私には、興味がない。


そういう事、だよね?


でも、私が欲しかったのはそんな答えじゃないの……。


先生は、私の本気から目をそらしたままだった。

 
こうして、私の卒業式は終わった。


先生は以前、他の子に言っていた。


「大学へ行って、俺よりいい男を見つけろ」って』


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