先生観察日記
【菫の観察日記】
先生からの「Help me!」を受け取ってすぐ。
お手伝いします、と返信した。
まだ先生の顔を見るのは辛いと思ったけど、事態はそれどころじゃない。
『お前にしか頼めない』
その言葉に、深い意味はないと思う。
事が生徒の個人情報に関わるだけに、なるべく早く、内密に発見してしまいたいに決まってる。
まだ春休み中で暇な私は、一番頼みやすかったんだろうし。
先生にたくさんお世話になった私には、断ることなんてできなかった。
時刻はもう夕方の5時を回っていた。
お母さんには
「お姉ちゃんの職場のデパートでお買い物して、晩御飯を一緒に食べてくる」
と言っておいた。
秘密を知る人は少ない方がいいから。
お姉ちゃんにだけは簡単にメールで状況を説明したけど、多分まだ仕事中。
先生が、うちの近くまで迎えに来てくれることになった。