先生観察日記
何があったんだろう……。
一瞬、目の前の松本先生をモデルに、ちょっと考えてみた。
妄想の世界へ羽ばたこうとした瞬間。
……クールな眼で見られました。
「まあ『信用失墜行為』に及ばないようにすれば、そういう小説もアリだろうな」
「でも、それだと面白くならないじゃないですか?」
先生×生徒の小説なんて、みんな周りに内緒であんなことやこんなことをするから、人気になるんだよ!
そのドキドキ感がわかんないのかな~、やっぱり。
学校の中であれこれするから、人気が出るんでしょう?
だって悪いけど、間山先生や大森先生が、学校から離れて「先生」じゃなくなったら、タダのオジサンにしか見えないもん。
これじゃあ、乙女の萌えからは程遠いよぉ。
いかにも不満げな私の様子を見た先生が、またため息をついた。
「だから、そこをどう面白くしていくかが腕の見せ所なんだろう」
「それができたら苦労しませんってば」