先生観察日記
やっぱり、モデルが悪かったのか、ちっとも萌え要素なしっ!
妄想にも限界があるのですよ。
「そんなの私が萌えませんっ!」
「とにかく、これ以上『問題教師』を増やさないでくれ」
だってえ、全く何事も起こらなかったら、恋愛小説にならないじゃない!
恋愛小説じゃないと、なかなか読んでもらえないんだもん。
問題を全く起こさない、品行方正な先生と生徒の真面目な話って、どんな起承転結になる訳!?
どんなに妄想しても、ただの真面目な話なんて書けませんっ!
「できないんだったら、このジャンルを書くのは諦めろ。これ以上『問題教師』を増やさないでくれ」
そんなぁ!
せっかくモデルも見つかったのに。
「先生、私、先生のこともっと知りたいの!
そうすれば、ちゃんとした小説が書けると思います!」
そう、ちゃんと人気の出る、面白い話が!
先生のご希望通りの話は、多分無理だと思うけど。
はあ、とまたため息をつく先生が一言。
「……仕事内容だけならいいぞ」
やった、ついにねばり勝ち!
こうして、私の「先生観察日記」が始まった。