先生観察日記
「じゃあ、先生ってどうしてここの学校に赴任してきたの?」
「人事異動の話か?」
「うん。聞きたい!!」
「俺はここに赴任したばっかりだけど、前の学校には6年いたんだ」
「へぇ〜。どこにいたんですか?」
「田舎だよ。初任者は田舎に行くことが多いんだ」
「何で?」
「ベテランの先生はなるべく都市部に残ろうとするからな」
ベテランの先生は家族がいるから、子どもの学校の事なんかもあるみたい。
「若いうちに田舎を経験させて、ある程度経験を積んだら都市部の学校へっていう考えもあるな」
「ふーん」
「じゃあ、先生は何で担任持ってないの?」
「そりゃ、来たばっかりで学校の実情も知らないうちに担任持たせて、学級崩壊させたら困るから、だろ」
「そっか〜、なるほど」
「そ。ましてや大学卒業したばっかりの初任者がいきなり担任を持つなんてことは高校では普通あり得ない。」
げ。私の小説の先生、まさにその条件にあてはまるのに、主人公の担任だった……。