先生観察日記
あとは「校内人事」の話もちょこっとだけ聞いた。
担任団も、バランスを重視しているから、同じ学年に新採用の若手は1〜2人しか入れないのが普通だそうな。
田舎の若い教員ばかりの学校は別、らしいけどね。
むむむ。
ということは、主人公のライバルとして、隣のクラスの担任を若い女教師にしていた私は、またまたしくじってた?
さらに。
公務分掌(こうむぶんしょう)というのがあって、よく知られているのが生徒指導部とか進路指導部ね。
それぞれ、先生方の担当する役割みたいなのがあるらしいんだけど、それも結構重要なんだって。
学校の規模や地域によっていろいろあるみたいだけど、大事なお仕事だそうだ。
「ちなみに俺は教務部。時間割を作ったり、研修会の資料を作ったり、成績の一覧を作ったり、まあいろいろ」
ふーん、表には見えない仕事もあるんだね、やっぱり。
「そういうこと。だから帰りは結構遅い。大抵9時は過ぎるな」
「大変なんだね〜。知らなかったよ」
「こんなんだから、彼女も作る暇がない訳だ。信用失墜行為に走る奴の気持ちもちょっとだけわかる気がするぞ」
へ~、彼女、いないんだ。
ちょっと意外だな~。
「あれれ、先生、そんなこと言っちゃっていいの〜?」
「ま、今のは冗談な。少しは参考になったか?」
「はい!ありがとうございます!」
「じゃあ、勉強も頑張れよ!」
よし、家に帰ったら、早速ネタ帳にまとめなくちゃ。
勉強!?
……そのうちやるってば。