先生観察日記

「あの~、先生の進学講習を受けたいんですけど、まだ間に合いますか?」

「ああ、いいよ。
この紙に名前とクラスと志望校書いといて」


あっさりと認められた。

とりあえず良かった~。

笑顔で頷いてくれたので、ほっとした。

受け取った用紙に記入しようと思ったけれど、あいにくペンなど持ってきていない。

「すみません、何か書くものを貸してください」

「これでいいか?」


渡されたのは、いかにも修学旅行のお土産!

……という感じの、夢と魔法の国のシャープペンだった。


「ありがとうございます。
このシャープ、可愛いですね」

「生徒からのお土産なんだ。
俺には似合わないけど」

照れたように笑ってる。ちょっと可愛いかも。

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