先生観察日記

松本先生が、大会の引率から帰ってきた。

早速、社会科準備室へ。


「勉強してたか?」

「まぁ、ぼちぼち」

「……もうかりまっか~?」


先生、何ですかそれは。

そう来たら、答えはひとつ。


「……ぼちぼちでんな~」

「安西、大阪商人じゃないんだから、そろそろぼちぼちは卒業しろよ。

あと半年で入試だろ」


ええそうですよ。

わかっちゃいるけど、ちょっと気分が乗らないの。

そんな私を見て、先生がため息をついた。


「安西の今までの成績だと、推薦は無理だ。
部活も生徒会もやってない、資格もないお前がこの成績で推薦してもらえる大学は……」


ど、どこ?

ごくりと唾を呑み込む私の横で、先生は冷たく言い放った。






「バカ田大学だ!」



「……」


バカボンのパパ、私は貴方の後輩になるようです……。


「ごめん、すべった。
とにかく!
そろそろ真面目にやれよ」


……わかっています。
すみません。

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