先生観察日記
「国語は全ての勉強の基本だ。
これができる、ということは、他も頑張ればできる。
それに、国語は一朝一夕に出来るようになる科目ではない。
今までの読書量や文章作成の積み重ねがものを言う。
だから、特別に勉強しなくても点が取れてるだろ?」
え?
松本先生って私の担任じゃなくて政経の教科担任なのに、国語の成績までちゃんと知ってるの?
確かに私は、本を読むことが好きで、それが高じてケータイ小説にも手を出しちゃったりしたんだけど。
他の教科と同じく、国語も全然勉強していないけど、黙っていても偏差値65をキープできるのは、やっぱり読書のおかげかなって思ってた。
だって、国語の模試って、初めて読む文章が多いから楽しいんだもん。
夢中になって読んで、読んだままを答案用紙に書き込んでるだけで、勉強なんてろくにしていない。
それを松本先生に見抜かれていたとは。
「国語と同じように、政経も好きになれよ。
そしたらきっと、伸びるからさ。
あ、俺の事好きになれば政経の成績も上がる、かもな」
な、なんでいきなりそんな事言うの!?
誉めておだてて『俺の事好きになれ』だなんて、恋愛フラグが立つ瞬間でしょう、これって!