先生観察日記
『先生はいきなり、あたしの手を引っ張った。
「きゃあ!」
あたしはそのまま、先生のいるベッドへ倒れ込む。
ち、近いよ、先生っ!
先生の端正な顔が、あたしの顔のすぐ上にあった』
……またか、信用失墜行為!
いや、ちょっと待て。
元々『保健医』なんて存在しない職業なんだから、公務員の信用失墜行為には当たらないということかっ!?
……便利な職業だな、保健医。
そして、ひとつ気づいた。
今まで見た目の描写はみんな『イケメン』や『かっこいい』で済ませていた安西だが、ここに来てはじめて『端正』なる単語を使ったぞ。
ちょっとだけ、表現に幅が出てきたか!?
やればできるんだよ、お前は。
そのやる気が間違った方向に向かっている気がするけどな。