先生観察日記
情景が浮かぶ。
うちのおばあちゃんもそうだったから。
小さい頃、一緒に住んでいたおばあちゃん。
小学生の時に天に召されたおばあちゃんは、亡くなる間際まで私とお姉ちゃんのことを気遣ってくれた。
夏休み中だから、ずっと病院にいた私達に「疲れるから帰りなさい」って言って。
帰ったらこのままおばあちゃんに会えなくなるんじゃないかと思って、帰らないってダダこねたのを覚えてる。
おばあちゃんは、そんな私達が気がかりだったらしく、ちゃんと私達が普通にお見舞いできる時間に、息をひきとった。
モニターに映し出された緑のラインがまっすぐになって、数字が0になって。
信じられなくて、泣いた。
機械が故障したんだって思いたかった。
でも、いくら私が泣いても、おばあちゃんがいつものように私の頭を撫でてくれることはなかった。
先生は、今の私より前に、お父さんとの別れを経験していたんだね。
知らないうちに、私のほっぺたには涙が流れ落ちていた。