さよなら、ありがと。
一瞬教室中が静まりかえったが、後ろの席の男の子もどうやら変人で、クラスメイトを笑いの渦に巻き込み、何事もなく自己紹介は終了した。
すると後ろから手が伸びてきて、あたしのストラップを奪った。
突然のことにあたしはびっくりして「ちょっと何すんのよ」と小声で後ろの少年に抗議した。
だけど、少年は平然として
「あんたの名前、すごく綺麗で、良い名前じゃん」
大事にしなよ、とストラップをもう一度あたしの手に戻して、こっちを見た。
その有無を言わせぬ雰囲気にあたしは何も言えなくて、しかも渡されたものは綺麗に直されていた。
大事にしなよ、って言うのはストラップのこと?
それとも名前?
自分の名前を誉められたのは初めてで、なんだか不思議な気持ちになり、不躾ながらあたしは彼の顔をじろじろ見てしまった。
だけど彼はそんなあたしに気分を悪くすることなく、右手を伸ばしてこう言ったのだ。
「俺、渡辺 瑛太。格好良い名前っしょ。
よろしくね、美音」
ニカッと笑った瑛太にあたしも思わず笑ってしまった。
それが、瑛太との出会いだった。
すると後ろから手が伸びてきて、あたしのストラップを奪った。
突然のことにあたしはびっくりして「ちょっと何すんのよ」と小声で後ろの少年に抗議した。
だけど、少年は平然として
「あんたの名前、すごく綺麗で、良い名前じゃん」
大事にしなよ、とストラップをもう一度あたしの手に戻して、こっちを見た。
その有無を言わせぬ雰囲気にあたしは何も言えなくて、しかも渡されたものは綺麗に直されていた。
大事にしなよ、って言うのはストラップのこと?
それとも名前?
自分の名前を誉められたのは初めてで、なんだか不思議な気持ちになり、不躾ながらあたしは彼の顔をじろじろ見てしまった。
だけど彼はそんなあたしに気分を悪くすることなく、右手を伸ばしてこう言ったのだ。
「俺、渡辺 瑛太。格好良い名前っしょ。
よろしくね、美音」
ニカッと笑った瑛太にあたしも思わず笑ってしまった。
それが、瑛太との出会いだった。