キケンなモトカレ《君を壊したい》
全ての風景が、色を無くした様な
一瞬だった。
彼女以外は何も見えない。
…………美沙…。
そこには毎日頭から離れない
誰よりも、憎くて
誰よりも、愛しい
彼女がいた。
学校の課題だろうか。
テーブルに本を広げて
ペンを走らせている。
時折、空を見上げて何かを考える。
そしてまた、ペンを握る。
そんな彼女の様子を道路を挟んだ向こう側から
しばらく立ち止まって
俺はじっと見続けていた。