キケンなモトカレ《君を壊したい》
バックを掴んで歩き出そうとした彼女の肩を掴んで引き止めた。
「誠也?」
「せっかく会えたんだ。
また、会おうよ、久し振りに。
俺、今、仕事に戻らないといけないから、……
夕方にでも」
「…え」
彼女の瞳が輝く。
…俺は確信した。
美沙は、あれからもずっと、俺を好きだったんだ。
俺と同じように……。
だけど、俺の頭の中には
その時、彼女が考えている事と
多分、全く違う考えが
浮かんでいたんだ。
それは………復讐。
俺を裏切って、苦しめた分、
美沙を……傷付けたい。
俺はそんな事を考えていた。