キケンなモトカレ《君を壊したい》
「朋恵、今日、また美沙と会うんだ。
一緒に来ない?」
美沙を待たせて一時間半後、雨がだいぶ弱まった頃、朋恵に声をかけた。
「え?美沙ちゃん?
会わせてくれるの?
でも、誠也の可愛い妹分なんでしょ~?
いいの?」
「ああ」
――朋恵と一緒に会社を出る。
美沙は、いないかもな。
雨が尋常じゃなかった。
「あれ?…いないわね」
朋恵が辺りを見回す。
…やっぱりな。
「ち、ちょっと!!
誠也、あれ!!」
朋恵の声に振り返った俺は
彼女の足元を見て息を飲んだ。