キケンなモトカレ《君を壊したい》



「朋恵、今日、また美沙と会うんだ。

一緒に来ない?」


美沙を待たせて一時間半後、雨がだいぶ弱まった頃、朋恵に声をかけた。


「え?美沙ちゃん?

会わせてくれるの?

でも、誠也の可愛い妹分なんでしょ~?

いいの?」


「ああ」




――朋恵と一緒に会社を出る。


美沙は、いないかもな。

雨が尋常じゃなかった。


「あれ?…いないわね」


朋恵が辺りを見回す。

…やっぱりな。


「ち、ちょっと!!

誠也、あれ!!」


朋恵の声に振り返った俺は

彼女の足元を見て息を飲んだ。



< 46 / 130 >

この作品をシェア

pagetop