キケンなモトカレ《君を壊したい》
街路樹の隣の死角の辺りに
うずくまる人影。
…美沙…?
俺の心臓がドクリと揺れた。
「美沙!!」
慌てて駆け寄る。
美沙は全身ずぶ濡れで
座り込んでいた。
「おい!!美沙!!」
額に手を当てる。
…熱い。
風邪を引きやすい彼女は
昔からこうして俺を心配させた。
「とりあえず、俺の部屋に連れて行くよ」
そう言って彼女を抱き抱える。
「お医者さんに連れて行ったら?」
そう言う朋恵に
「美沙に直ぐに効く薬があるから」
そう言って彼女をタクシーに乗せる。