キケンなモトカレ《君を壊したい》

「ごめん、朋恵。

食事はまたな」


俺がそう言うと朋恵は

「…ええ」

と言ってニコリと笑った。


バタン、とドアが閉まってから

朋恵の最後の笑顔に違和感を感じる。


………気付かれたかな。


勘のいい女だから、妹分なんかじゃない事を

感じたかも知れない。


ふと、俺にもたれて呼吸を荒げる

美沙を見下ろす。


カタカタと震える身体をキュッと抱き寄せる。



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