キケンなモトカレ《君を壊したい》


パコッ。


本と睨み合う俺の頭に軽い衝撃。


「結子。何だよ」


直ぐに本に視線を戻す。


「何よ、そのナリは。

それが高校時代に浮き名を流した

モテキングの姿なの!?

情けないわね、もっと磨きかけなさいよ」

「うるせぇな。いいんだよ。

今の俺には女なんて

必要ないんだよ」


高校からの腐れ縁の結子は

そんな俺に、ふっ、と呆れたようなため息をついた。



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