キケンなモトカレ《君を壊したい》
肩を震わせながら話す彼女を
俺は呆然と見詰めていた。
美沙の瞳が、深く傷付いている事を
語っている。
彼女を知り尽くしているはずの俺も
見たことのない
深い悲しみの色に染まった目。
「だけど、あなたの…気が済まないのなら
いいのよ、私を好きにしても。
まだ……足りないでしょう…?
私は、…どうすればいいの?
このまま、会わないなら
そうする。
何か、要求があるなら
……言って?」