氷狼―コオリオオカミ―を探して
プロローグ 白魔の行列
ぐぅおー おー おー
風の喇叭(ラッパ)が鳴っている
たん と たたん
風の太鼓も鳴っている
真夜中 少女は目をさまし
ひとり寝床をぬけだした
風の喇叭が鳴っている
風の太鼓も鳴っている
窓をすりぬけ
雪明かり
二階の窓から下見れば
なにかが道をやってくる
雪の白馬を取り囲む
白い鼬(イタチ)に白狐(しろぎつね)
銀の喇叭が鳴っている
銀の太鼓も鳴っている
雪の白馬の背中には
白い毛皮の外套の
高貴な殿が乗っていた
「嬢やおいでよ 殿様が
遊び相手を お探しだ」
白い鼬がささやいた
白い狐もささやいた
風の喇叭(ラッパ)が鳴っている
たん と たたん
風の太鼓も鳴っている
真夜中 少女は目をさまし
ひとり寝床をぬけだした
風の喇叭が鳴っている
風の太鼓も鳴っている
窓をすりぬけ
雪明かり
二階の窓から下見れば
なにかが道をやってくる
雪の白馬を取り囲む
白い鼬(イタチ)に白狐(しろぎつね)
銀の喇叭が鳴っている
銀の太鼓も鳴っている
雪の白馬の背中には
白い毛皮の外套の
高貴な殿が乗っていた
「嬢やおいでよ 殿様が
遊び相手を お探しだ」
白い鼬がささやいた
白い狐もささやいた
< 1 / 200 >