氷狼―コオリオオカミ―を探して
チェイサーはあたしが落としていた弓をくれた。
それからあたしの髪を手櫛ですいて撫でつける。
やっぱり前にもこうされた気がする。
「お前は妖魔の暮らしに飽き飽きするだろう。俺と違って」
チェイサーが言う。
「どうしてそう思うの? 好きになれるかもしれないじゃない」
「なれないよ。来る日も来る日も冬だけを目にする。俺は気楽だから妖魔になったが、この生活がいいと思っている訳じゃない」
チェイサーはあたしの頭を胸に抱いた。
「お前とずっといたいが」
あたしだって一緒にいたい
あたしは心の中でチェイサーにそう告げた。
あたしの中にも迷う心はある。
でも繭の中にとどまりはしない。
いつだって選択肢なんて、そう沢山あるわけじゃない。
その中から選んで前に進むだけ。
あたしはこの迷いを乗り越えてみせる
必ず
それからあたしの髪を手櫛ですいて撫でつける。
やっぱり前にもこうされた気がする。
「お前は妖魔の暮らしに飽き飽きするだろう。俺と違って」
チェイサーが言う。
「どうしてそう思うの? 好きになれるかもしれないじゃない」
「なれないよ。来る日も来る日も冬だけを目にする。俺は気楽だから妖魔になったが、この生活がいいと思っている訳じゃない」
チェイサーはあたしの頭を胸に抱いた。
「お前とずっといたいが」
あたしだって一緒にいたい
あたしは心の中でチェイサーにそう告げた。
あたしの中にも迷う心はある。
でも繭の中にとどまりはしない。
いつだって選択肢なんて、そう沢山あるわけじゃない。
その中から選んで前に進むだけ。
あたしはこの迷いを乗り越えてみせる
必ず