氷狼―コオリオオカミ―を探して
あたしは狐達に引きずられるように階段を駆け下りた。


時々、頭から突っ込みそうになったけど、その度に狐達があたしを支えて跳ね返す。

あたしは人形のように振り回され、下の砂浜に下りるまで叫び続けていた。


「ったく、やかましいな」

地面に立って、ゼイゼイと息を整えてるあたしを横目に狐が言った。

「全く。チェイサーはこんなお転婆娘のどこがいいんだか」


「よ……余計なお世話よ……」

あたしは息の合間で言った。


「根性はあるな」

「ああ。心意気だけはたいしたものだ」


そいつはどーも


「さあ、トムボーイ、氷狼を狩るぞ」

「オイラ達から獲物を奪えるかい?」
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