氷狼―コオリオオカミ―を探して
あたし達は階段を背に氷狼の群れを待ち受けた。


リーダー狼が岩の上で唸る。


「来るぞ」

イタチが言った。


すべての氷狼がいっせいに挑みかかってきた。

数の多さで突破する気だ。


あたしは弓を引いた。

矢で射た氷狼を狐が引き倒す。


「だから! なんであたしの獲物を横取りすんのよっ!」

あたしは狐に怒って言った。


「だってイタチがそうしろって言うんだもの」


何だって?


「あんた達ねぇ!」


「チェイサーのために一肌脱ごうかと」

イタチが悪びれもせずに言う。
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