氷狼―コオリオオカミ―を探して

お向かいの家の十歳年上のお兄ちゃん――それがショウ君だ

毎日のように一緒に遊んでくれた。

縄跳びも、自転車も、全部あの人が教えてくれた。


大好きで

大好きで


幼い心の無心な愛情で、あたしはあの人を愛した。


あの人はどこに行ったの?

あんなに大切だった人がどうして記憶から抜け落ちていたの?


それは、ショウ君が妖魔になってしまったから。

チェイサーが彼だから。


あの背中に見覚えがあるはずだ。

毎日、学校へ行く後ろ姿を二階の窓から見送ったもの

早く帰って来てねと願っていたもの
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