氷狼―コオリオオカミ―を探して
巨大な氷狼は岩場を下り、チェイサーを待ち受けていた。
チェイサーの後から二匹の妖狐が駆けて行く。
『待っていろ』とチェイサーは言った。
あの日も『待っていろ』とあの人は言った。
「帰って来なかったじゃない、バカ」
あたしはそっとつぶやいた。
もう待つのは終りだ。
あたしは一人で彼を追えるくらい大きくなった。
「どこへ行くのさ、トムボーイ?」
走り出したあたしを別の妖狐が二匹、追ってきた。
「あんたはもう氷狼を仕留めただろ?」
「あたしはリーダー狼を狩る。あんた達に横取りできる?」
「言ったな。取ってみせるさ!」
狐は飛び跳ねるようにあたしの横を走った。
チェイサーの後から二匹の妖狐が駆けて行く。
『待っていろ』とチェイサーは言った。
あの日も『待っていろ』とあの人は言った。
「帰って来なかったじゃない、バカ」
あたしはそっとつぶやいた。
もう待つのは終りだ。
あたしは一人で彼を追えるくらい大きくなった。
「どこへ行くのさ、トムボーイ?」
走り出したあたしを別の妖狐が二匹、追ってきた。
「あんたはもう氷狼を仕留めただろ?」
「あたしはリーダー狼を狩る。あんた達に横取りできる?」
「言ったな。取ってみせるさ!」
狐は飛び跳ねるようにあたしの横を走った。