氷狼―コオリオオカミ―を探して
大いなる冬の主、銀の毛皮の氷狼がニッと笑ったように見えた。


ブンッと弦が唸った。


外した!


矢は氷狼の左目を射抜いた。

怒りの唸り声を上げて、氷狼は真っ直ぐに跳んで来た。


「チビ!」


チェイサーの叫び声が聞こえる。


スローモーションのように見えたのに、避ける暇もなく、あたしは氷狼の下敷きになった。

倒れた時に弓は弾き飛ばされ、今のあたしは丸腰だった。

氷狼の口から、ものすごい冷気が出ている。


なんとかしなきゃ

負けないんだから
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