氷狼―コオリオオカミ―を探して
「さようなら、チェイサー」


あたしが言うと、チェイサーは手を離した。


「元気でな」


そっちこそ


あたしは立ち上がって、氷狼の前まで行った。


あたしの願いはいつだってショウ君、あなたの側にいることだったんだよ

あなたはそうは思わなかったようだけど


ナイフに手を伸ばすあたしに、

「それを抜けばもう願いを保留にすることは出来ぬぞ」

イタチがささやくように言う。


「分かった」

あたしは答えた。


心は決まっている。

あたしはもう幼い子供じゃないから。
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