氷狼―コオリオオカミ―を探して
駅の改札を通ると、白い人影は見えなくなった。


どうやら建物の中には入って来られないらしい。


ここから電車に乗って三駅。


学校の近くまで行けば友達もいるし、あいつらを無視しやすい。


あいつらも、あたしがあの行列を見ていたって確信はないに違いない。


気づかないふりをし続けること


絶対に目を合わせないこと


――でも、馬の乗り手とは目が合ったよね


心の中であたし自身がそう言う。


ううん、あたしだって分かるわけない


たぶん……

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