氷狼―コオリオオカミ―を探して
「お節介娘、チェイサーの気持ちはきいたのか?」

狐が言った。

獣の姿から普通の白魔の姿に戻っている。


「チェイサーはあたしを帰したがってた。本当は人間の世界がいいと思ってるからだよ」


「はんっ! あんたがやかましいから厄介払いしたかっただけさ」


「そうかも」

あたしは笑った。


変なの

こんな悲しい時でも笑えるんだな


「今頃、怒り狂って……そんな訳ないか。記憶は無くなるんだもんな」


寂しそう……

ゴメンね


「一緒に妖魔になれば簡単だったじゃないか」
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