氷狼―コオリオオカミ―を探して
「簡単だよ。でも、彼はいつか後悔する」

あたしは涙を拭いて立ち上がった。


チェイサーのマントを羽織ってみたけど、引きずるくらい長い。

後でイタチになんとかしてもらおう。


「これからはあんたと狩りをするのかい?」

狐が言った。


「そうだよ。何か文句ある?」


「ないけどさ、大丈夫かい?」

狐は疑わしげだ。

「もう火は使えないんだぜ」


「そうだった。でも、せいぜいみんなの足を引っ張らないように頑張るから」

落ちていた弓を拾う。

「これも当たるようになったことだし」


「馬から落ちるんじゃないのかい?」
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