氷狼―コオリオオカミ―を探して
3
電車から降りると、ホームで友達のサヤに会った。
「ハルカ、おはよう!」
サヤは帽子、マフラー、手袋の完全装備。
「おはよう、サヤ。すごい格好だね」
「いやあ、うちの母親が『寒いから』ってうるさくてさぁ。高二にもなって母親から毛糸のパンツはけって、ありえなくない?」
「うちも同じ。『体、冷やしちゃよくないのよ』っていっつも」
「そうそう、必ず言うよね。あたしなんて知らないオバチャンにまで言われてさ、ほっといてくれって感じよ」
ホント
ほっといてほしいわ
駅の出口に白い影がチラチラしてる。
近くまで行って、白狐じゃないことに気づいた。
馬の乗り手だ。
あたしは見えないふりをしながら、乗り手の横を通りすぎた。
「ハルカ、おはよう!」
サヤは帽子、マフラー、手袋の完全装備。
「おはよう、サヤ。すごい格好だね」
「いやあ、うちの母親が『寒いから』ってうるさくてさぁ。高二にもなって母親から毛糸のパンツはけって、ありえなくない?」
「うちも同じ。『体、冷やしちゃよくないのよ』っていっつも」
「そうそう、必ず言うよね。あたしなんて知らないオバチャンにまで言われてさ、ほっといてくれって感じよ」
ホント
ほっといてほしいわ
駅の出口に白い影がチラチラしてる。
近くまで行って、白狐じゃないことに気づいた。
馬の乗り手だ。
あたしは見えないふりをしながら、乗り手の横を通りすぎた。