氷狼―コオリオオカミ―を探して
「そんな事をしていいの?」


あたしの問いに白魔達はうなずいた。


「もう十分に狩りの手伝いをしてもらった。我らにはあなたを引き止める理由がない。世界が許せばあなたは人の子の世に戻れるだろう。許されなければまた共に狩りに行こう」


あたしはうなずき、チェイサーが残した毛皮のマントの端を握り、口元によせた。


「お願い。あたしは家に帰りたいの。チェイサーの、ショウくんの側にいさせて」


お願い

あたしを帰して


目の前がチラチラと光りだした。


白魔達が薄れていく。


ああ、本当に帰れるのかも!


「みんな、ありがとう!」

あたしは薄れていく白魔達に言った。


「あいつに伝えてよ」

狐の声が聞こえた。

「狩りは楽しかったって」
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