氷狼―コオリオオカミ―を探して
3
ショウ君?
「お帰り、遥」
彼は笑顔で言ってくれたけど、あたしはその場に立ち尽くすことしかできなかった。
あたしの中では、人間に戻ったショウ君は二十七歳の男の人になるはずだった。
でも、目の前にいる彼は最後に見た時のままだ。
どう見ても高校生
世界は彼から十年の月日を奪いはしなかったのだ。
「誰?」
あたしが呆然として言うと、弟が驚いた。
「姉ちゃん? ショウ君だよ?」
それは分かるけど……
「母さん! 姉ちゃんがおかしい」
弟は居間に入ってきたママに言った。
「ショウ君が分からないんだ!」
「お帰り、遥」
彼は笑顔で言ってくれたけど、あたしはその場に立ち尽くすことしかできなかった。
あたしの中では、人間に戻ったショウ君は二十七歳の男の人になるはずだった。
でも、目の前にいる彼は最後に見た時のままだ。
どう見ても高校生
世界は彼から十年の月日を奪いはしなかったのだ。
「誰?」
あたしが呆然として言うと、弟が驚いた。
「姉ちゃん? ショウ君だよ?」
それは分かるけど……
「母さん! 姉ちゃんがおかしい」
弟は居間に入ってきたママに言った。
「ショウ君が分からないんだ!」