氷狼―コオリオオカミ―を探して
「まだ記憶が混乱しているのかしら……遥、お向かいのショウ君よ」


「幼なじみの?」

あたしは彼の立場を量りかねて、慎重に尋ねた。


「そして親友の」

ショウ君が言葉を引き取って言った。

「大変だったね。休んでいる間のノートを取っておいたよ。分からないところはきいて」


「あたし達、同じ学校?」


「うん。同じクラスだよ」


あたしは少しふらついた。


「そうだった。ゴメン、まだ少しおかしいの。休ませてもらっていいかな」


「もちろん」


あたしは差し出されたノートを受け取った。


「学校へはいつから?」


「来週」


「じゃあ朝迎えに来るよ。いつものように」
< 159 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop