氷狼―コオリオオカミ―を探して
川沿いの桜並木の下をあたし達は手をつないで歩いた。
春の風はまだ少し冷たいけれど、桜の木は淡いピンク色に包まれていた。
今年はいつもの年よりも春が来るのが早い気がする。
ひときわ大きな桜の前で翔くんは不意に立ち止まり、上を見上げた。
「綺麗だな」
翔くんがしみじみと言った。
「そうだね」
あたしも桜を見上げた。
「遥」
桜を見上げたまま翔くんがボソッと言った。
「俺を嫌いなのか?」
「好きだよ」
「ずっと避けてるのに?」
春の風はまだ少し冷たいけれど、桜の木は淡いピンク色に包まれていた。
今年はいつもの年よりも春が来るのが早い気がする。
ひときわ大きな桜の前で翔くんは不意に立ち止まり、上を見上げた。
「綺麗だな」
翔くんがしみじみと言った。
「そうだね」
あたしも桜を見上げた。
「遥」
桜を見上げたまま翔くんがボソッと言った。
「俺を嫌いなのか?」
「好きだよ」
「ずっと避けてるのに?」