氷狼―コオリオオカミ―を探して
「どこにも行かないよ」

って笑い飛ばしたけれど

数ヶ月後には笑い事で済まなくなった。


秋の終わりに、あたしは街中で氷狼の群れを見た。


まだ体が小さな狼達が南の方に向かって駆けて行く。


冬が来るんだ


次の日は初雪が降った。


そして、鏡に映るあたしの瞳の色がやけに薄く見えるようになった。


「髪、染めた?」

何人かの友達に言われた。


「ううん。どうして?」


「光りの加減かな。すごい茶髪に見える」


どうしよう

あたしは白魔になりかけてる。
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