氷狼―コオリオオカミ―を探して
「何だ。オイラが分かるのか?」


「犬にしか見えないけどね。話ははっきり聞こえる」


「一緒に狩りに行くかい?」


「もう狩りは始まってるの?」

あたしはしゃがんで狐に話しかけた。


「ああ、チェイサーがいないと、やりづらくてしょうがないがね」


「悪いけど、あの人はダメよ」

あたしは顔をしかめて言った。


「残念! 今年の狩りに連れて来た人の子ときたら、全然使い物にならなくてな。あんたの方がまだましだ」


ほめてるのか、けなしてるのか


「ねえ、あたし変じゃない? ここのところ色が抜けてきてる気がするんだ」


狐は目を細めてあたしを見た。
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