氷狼―コオリオオカミ―を探して
「我らと行くほどではないな。わたしはどう見えるね?」
「子供に。でも声は普通に聞こえるし、冬の初めには氷狼も見た」
「我らと狩りをした記憶は消えていないのだな」
「こっちに戻って来ても消えなかった」
「チェイサーはどうだね?」
「あの人は十年分の年も取らなかったし、その間の記憶は一切ないの――っていうより、違う記憶を持ってる」
「違う記憶?」
「思い出が全部すり替わってるような。あたしの事も、一緒に育った幼なじみだと信じてる」
ハッと気付いた。
「そのせい? あたしは人間に戻ったんじゃなくて――」
「人間でいたいから、い続けている――おそらくは」
イタチがうなずいた。
「チェイサーの記憶がすり替わって、願い事の効力が薄れているのやも」
「子供に。でも声は普通に聞こえるし、冬の初めには氷狼も見た」
「我らと狩りをした記憶は消えていないのだな」
「こっちに戻って来ても消えなかった」
「チェイサーはどうだね?」
「あの人は十年分の年も取らなかったし、その間の記憶は一切ないの――っていうより、違う記憶を持ってる」
「違う記憶?」
「思い出が全部すり替わってるような。あたしの事も、一緒に育った幼なじみだと信じてる」
ハッと気付いた。
「そのせい? あたしは人間に戻ったんじゃなくて――」
「人間でいたいから、い続けている――おそらくは」
イタチがうなずいた。
「チェイサーの記憶がすり替わって、願い事の効力が薄れているのやも」