氷狼―コオリオオカミ―を探して
「やかましいぞ、狐! こうすれば見えているかいないか分かろう」


その言葉とともに、白いイタチのお面をつけた子供があたしの前に立ちはだかった。


避けたらいいの?

ぶつかればいいの?


一瞬の迷いがあたしの足を止めた。


いきなり立ち止まったあたしにサヤが『どうしたの?』ってきく。


「どうしたの?――だとさ」

イタチのお面がニヤニヤ笑う。

「言ってやんなよ、白い妖魔が見えるってさ」


「見えてる」


「我らが見えてる」


「捕まえろ」


あっという間に狐とイタチの数が増えてあたしを取り囲んだ。
< 18 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop