氷狼―コオリオオカミ―を探して
ねえ

たとえあたしが人間の世界を去る日が来ても、あたしも自分の選択を後悔しないよ。


「翔くん、明日世界が滅びるとしたら、今何したい?」


「何だよ急に」


「教えて」


「そうだな……ここでお前とコーヒーを飲む」


「何それ」

あたしは笑った。


「明日世界が滅びるとしても、俺は特別な事はしたくない。いつもと同じように生活したいね」


それがあなたにとっての『生きる』ということ?


なら、あたしもそうしよう。

最後まであなたと普通に生きていこう。
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