氷狼―コオリオオカミ―を探して
「危ない!」
馬の乗り手があたしの体を引っ張り、勢いあまって二人とも倒れた。
次の瞬間、車道から乗用車が突っ込んできた。
フロントガラスに狐が張り付いてニヤニヤ笑っている。
誰かの悲鳴が聞こえる。
――女の子がひかれた!
――救急車!
「ハルカ! しっかりして!」
泣き顔のサヤが倒れているあたしを覗き込む。
「今、救急車来るからね!」
あたし、ひかれてないんだけど
そう言いたかったけど、狐とイタチに手足と口を押さえられて、あたしは身動きできなかった。
馬の乗り手があたしの体を引っ張り、勢いあまって二人とも倒れた。
次の瞬間、車道から乗用車が突っ込んできた。
フロントガラスに狐が張り付いてニヤニヤ笑っている。
誰かの悲鳴が聞こえる。
――女の子がひかれた!
――救急車!
「ハルカ! しっかりして!」
泣き顔のサヤが倒れているあたしを覗き込む。
「今、救急車来るからね!」
あたし、ひかれてないんだけど
そう言いたかったけど、狐とイタチに手足と口を押さえられて、あたしは身動きできなかった。