氷狼―コオリオオカミ―を探して
「真面目な話だぞ」


「真面目に聞こえないもの。卒業する時にバラの花束持ってもう一度言って」

もし、その時もまだあたしがいたら。


「バラが好きだったとは知らなかった」


本当はタンポポの花束だっていい

あなたとこのままいたい


「特別好きって訳じゃないよ。でもロマンチックでしょ?――何笑ってんのよ」


「いや、遥も女の子なんだなって思ってさ」


「分かったら、次はロマンチックに言ってよね」


「いいよ。ロマンチックに言えばOKなんだな?」


「出来が悪かったらまたやり直しさせるから」
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