氷狼―コオリオオカミ―を探して
2
「違う。お前は俺と同じ年じゃないか」
きっぱり否定されて、あたしは観念した。
とうとう彼の記憶を呼び覚ますことはできなかった。
翔くんの記憶は、幼い頃のあたしを別人にすり替えようとしている。
「あの子はもっと小さくて……死にかけていて」
気温の暑さにもかかわらず、寒気がした。
あたしの中を冷気がめぐっていく。
このまま、冬が来る前にあたしは妖魔になってしまうみたい
「俺は……あの子のために」
お願い。真実を思い出して!
あたしをあなたの側にいさせて
翔くんはポケットに手を突っ込み、何かを取り出した。
そして、それをしばらく見つめた後、つぶやくようにボソッと口を開いた。
「チビ、俺はなぜここにいる?」
きっぱり否定されて、あたしは観念した。
とうとう彼の記憶を呼び覚ますことはできなかった。
翔くんの記憶は、幼い頃のあたしを別人にすり替えようとしている。
「あの子はもっと小さくて……死にかけていて」
気温の暑さにもかかわらず、寒気がした。
あたしの中を冷気がめぐっていく。
このまま、冬が来る前にあたしは妖魔になってしまうみたい
「俺は……あの子のために」
お願い。真実を思い出して!
あたしをあなたの側にいさせて
翔くんはポケットに手を突っ込み、何かを取り出した。
そして、それをしばらく見つめた後、つぶやくようにボソッと口を開いた。
「チビ、俺はなぜここにいる?」