氷狼―コオリオオカミ―を探して
「まさかお前が戻って来るとは思わなかったからな。錯綜してしまったのだろう」
チェイサーはさっきポケットから取り出したものを手のひらにのせて、あたしに見せた。
「なにやら夢を見ていたようだが、これを見て正気に戻った。俺のお守りだ」
チェイサーの手のひらにあったのは、青と黄色と赤のプラスチックのビーズのかたまりだった。
「最初は腕につけていたのだが、糸が切れてな。残った物だけ落ちぬように糸の端を結んだのだ」
「あたしが作ったブレスレットだね」
幼稚園児だったあたしが一生懸命作ったやつだ。
翔くんが嬉しそうに笑って受け取って、誇らしい気持ちになったのを覚えてる。
胸が熱くなって、あたしの目から涙がこぼれた。
「信じらんない。こんな酷い代物を身につけてたの?」
チェイサーはさっきポケットから取り出したものを手のひらにのせて、あたしに見せた。
「なにやら夢を見ていたようだが、これを見て正気に戻った。俺のお守りだ」
チェイサーの手のひらにあったのは、青と黄色と赤のプラスチックのビーズのかたまりだった。
「最初は腕につけていたのだが、糸が切れてな。残った物だけ落ちぬように糸の端を結んだのだ」
「あたしが作ったブレスレットだね」
幼稚園児だったあたしが一生懸命作ったやつだ。
翔くんが嬉しそうに笑って受け取って、誇らしい気持ちになったのを覚えてる。
胸が熱くなって、あたしの目から涙がこぼれた。
「信じらんない。こんな酷い代物を身につけてたの?」