氷狼―コオリオオカミ―を探して

「では少し狩りの説明をしよう。初心者もいることだし」

チェイサーが言った。


お気遣いどーも


チェイサーは立ち上がると、手にした棒のような物で地面を軽く叩いた。


白い床に、墨を流したように線が浮かび上がった。


どうやら地図らしい。


「昨夜の嵐の通り道を見れば、氷狼はここ『玻璃の谷』と『迷いの森』の間をうろついている」


「ハリの谷?」


「玻璃はガラスのことだ」


裁縫の針じゃないんだ


「この地図ってあたしの住んでる街じゃないの?」
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