氷狼―コオリオオカミ―を探して
「数が多すぎて狩れない」

チェイサーが答える。

「必ず取りこぼしは出る。小者は取りこぼしても問題はない。ただ常に群れのリーダーは確実に狩らねばならない。リーダーに逃げられると、後々厄介だ」


「厄介って?」


「リーダーに逃げられると、ここより北にいる氷狼を取り込んで群れが大きくなる。そうなれば狩りが難しくなるし、我々は一定の期間のうちに狩りを終えねばならんのだ。分かるな?」


分かるかっ!


「夏まで氷狼がうろついていては困るのだよ」

イタチが口を挟んだ。

「我らは武器の整備を始めるとしよう――トムボーイ、あなたの武器はどうする?」


「どうするって?」


「剣と槍と弓。どれにするね?」
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