氷狼―コオリオオカミ―を探して
「後は、着る物だな。こんなに色が多くては氷狼に気づかれる」


チェイサーの言葉にイタチがうなずく。


「では、それも用意しよう。トムボーイ、少し採寸させておくれ」


何の因果か知らないけれど、あたしはコートを脱いで白魔のイタチにスリーサイズを測られた。


「胸まわりは女にしては小さいな」


大きなお世話だよっ!


ふと見ると、チェイサーが笑い出したそうに目をきらめかせていた。


あたしはツンとそっぽを向いた。


「あんた達の……何ていうか、種族に女っているの?」


「いるとも」

イタチは肩幅を測りながら答える。

「夏の間を過ごす北の地には女神のように美しい女達がいるぞ」
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